ことのはぐさ

2015.03.09 弁護士 森信雄 | 増えてきた「弁護士費用特約」の利用


 交通事故は日常的に取り扱う事案であるが、最近、「弁護士費用特約」を利用するケースが増えてきた。
 弁護士費用特約(以下「特約」という。)とは、被保険者が偶然の事故(交通事故はその典型である。)による被害について弁護士に相談や依頼をした場合の弁護士費用や訴訟費用等につき保険金が支払われるというものである。
 通常、自動車保険の特約とされ、保険加入者の選択により付加されるから、被害者が加入している自動車保険に特約が付加されていれば利用できることになる。また、被害者ではなく、一定範囲の家族が加入している自動車保険であっても、特約が定める被保険者の範囲に含まれるのであれば利用できる。
 弁護士が交通事故の被害者から損害賠償請求を受任する場合、実費と別に、受任時に着手金を、解決時に報酬をそれぞれお支払いいただくのが基本である。判決の場合は、弁護士費用(金額は裁判所が決める。)を加算した損害額が認められるであろうが、交渉による解決の場合、弁護士費用が加算されることは通常ないので、着手金及び報酬の負担を考えれば、依頼者の手取額が目減りすることになる。
 ところが、特約が利用できれば、支払限度額はあるにせよ、自動車保険から弁護士費用が支払われることになるため、目減りを極力避けることができる。
 また、傷害の程度が比較的軽微な事案では、特約を利用できなければ、弁護士費用を自己負担してまで依頼するメリットがあるかどうか(いわゆる「コストパフォーマンス」)悩まざるを得ないが、特約が利用できれば、そのような心配は不要である。
 私たち弁護士もご相談を受ける際に留意する必要があるが、交通事故につきご相談やご依頼いただく場合、ご自身またはご家族が加入している自動車保険に特約が付加されているかどうか、被保険者の範囲に照らし特約を利用できるかどうかを保険会社に確認されることをお勧めしたい。


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