誰しも幼少期に予防接種やツベルクリン反応検査をされた経験がおありでしょう。昭和23年から61年ころまでは、注射針や筒を一人ずつ交換しないことも多く、予防接種で逆にB型肝炎ウィルスに感染してしまうことがありました。7歳までに感染すると、免疫機能が不十分なため、その後もウィルスを持ち続けることになり、長じて慢性肝炎などの症状がでることがあります。
B型肝炎国賠訴訟は予防接種でB型肝炎にかかった人が、ずさんな予防接種体制を敷いた国に対して損害賠償請求をするものです。今年、札幌、 新潟、東京、静岡、大阪、岡山、広島、島根、福岡の全国9地裁で約150名の患者さんが原告となって訴訟を始め、また、追加提訴も準備しています。健康を願ってなされた予防接種で逆に病気をもらってしまう不条理の責任と救済施策とを国に求めていきたいと思っています。