ことのはぐさ

2009.02.03 弁護士 岩田研二郎 | アメリカの法廷弁護技術に学ぶ


 今年5月から、裁判員制度が始まります。今まではいわば玄人(くろうと)の職業裁判官相手の審理であったために、日本では尋問技術や法廷での弁論の訓練というのはほとんど行われず、先輩の尋問などを見て自分なりのスタイルをつくっていくというやりかたでした。しかし、刑事でも民事でも陪審制度がおこなわれているアメリカでは、30年前から、法廷弁護技術研修というカリキュラムがあり、専門的な訓練方法やコーチング理論が確立しています。

 日弁連や大阪弁護士会では、アメリカの全米法廷弁護協会からアメリカ人講師を招き、参加者実演型のコーチングをうける企画を行い、私達の事務所からも井 上洋子弁護士が参加しました。模擬裁判で、一人5分間だけ尋問や弁論をして、コーチが批評します。①「○○についてお話しします」と、何について批評する かを冒頭に短くコメントし、②あなたは、このようにいいましたと再現する③その言い方は、ここが問題ですと批評し、④例えば私なら、このように質問します と実演するという方法で批評をします。自分の順番を待っている実演者も、他人の実演と批評を聞きますから、10人いれば、10通りの教訓を学ぶことができます。その後、ビデオに撮影したものを、今度は別室のコーチと二人で見ながら、自分の尋問や弁論を客観的に見つめなおすプログラムが続きますが、多くの参加者は自分の姿に愕然とし、コーチはひたすら慰め励ますということになるようです。
 しかし、目からウロコが落ちたようだというのが参加者の一致した感想でした。
 日本でも、このような研修が活発になり、尋問技術が向上していくと思います。


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