2月15日、大阪市港区にて、家賃債務保証業者や「ゼロゼロ物件」などによる「追い出し」被害の救済に取り組んでいる全国の弁護士・司法書士が集まり、「全国追い出し対策会議」が結成されました。
主として低所得者層向けの賃貸住宅を中心に、賃貸事業者や管理業者、家賃債務保証業者らが、家賃を滞納した居住者に執拗に取り立てを行ったり、強制的に居室から追い出す被害が多発しています。これら「追い出し屋」は、居住者が家賃を滞納するや、昼夜を問わず電話・訪問を繰り返し、勤務先に何 度も連絡をとったり、アパート内に滞納している事実を知らせるビラを貼るなど、居住者の生活の平穏やプライバシー権を侵害する違法な取り立てを行います。 また、滞納家賃に加えて、法外な違約金を請求する例も見られます。
滞納が続けば、無断で鍵を掛け替えて出入りをできなくし、挙げ句に、室内の私物を無断で撤去・処分するなど、明らかな犯罪行為に及ぶ例も少なくありません。こうした「追い出し」行為は、法の定める手続を無視した違法な実力行使(自力救済)であり、許されません。
家賃債務保証業者がこうした違法行為を行っても、業者を取り締まる法規がないため、事実上野放しになっています。派遣や非正規社員など不安定雇用が拡大し、賃金カットや解雇などで生活が立ちゆかなくなり、家賃を滞納しがちな居住者をターゲットとして、家賃を滞納しているという負い目と法的無知につけこみ、住居という生活の本拠をたてにとって、苛烈な取立を行い、挙げ句に住居から実力で排除する「追い出し屋」被害は、かつてのサラ金被害をほうふつとさせ ます。このような「貧困ビジネス」の横行を許してはなりません。
私たち「全国追い出し屋対策会議」は、家賃債務保証業者などに必要な法規制を設けて、違法な取り立てや「追い出し」行為を規制することを要求しています。
また、こうした「追い出し屋」が横行する背景には、国の住宅整備の「貧困」があります。
こうした低所得者層向けの賃貸住宅については、民間任せにするのではなく、積極的に国が供給にとりくむべきです。私たちは、住宅政策のあり方についても、見直しを求めています。
国土交通省も、「家賃債務保証業務の適正な実施の確保の要請等について」http://www.mlit.go.jp/report/press /house03_hh_000011.htmlを発表するなど、この問題の取り組みを始めました。国の動向を注視すべきです