ことのはぐさ

2011.02.01 弁護士 横山精一| 十分な睡眠のすすめ


  「超訳 ニーチェの言葉」(白取春彦編訳 ディスカバー刊)の中に次のような一節がある。

  「疲れたらたっぷり眠れ。
    自己嫌悪におちいったとき、何もかも面倒でいやになったとき、
   何をしてもくたびれて仕方ないとき、元気を取り戻すためには何をすべきだろう。
    ギャンブル?宗教?流行のリラックス療法?ビタミン剤?旅行?飲酒? 
    そんなことよりも、食事をして休んでからたっぷりと眠るのが一番だ。
    しかも、いつもよりずっと多くだ。
    目覚めたとき、新しい力が漲(みなぎ)る別の自分になっているだろう。」

 このように、ニーチェも、睡眠の重要性を強調している。 
  では、睡眠時間はどれくらい必要なのか?これは人それぞれで、人によって違いが大きい。私の場合、どうも他の人と比べて睡眠時間が多い部類に属すると思う。

  先日、同世代の弁護士と談笑していた際、イチローの睡眠時間が話題に上った。イチローは、1日10時間眠るそうだ。私は大いに感心し「それは長すぎる。私などはせいぜい8時間だ」と言ったところ、同席した弁護士は大いに驚いた。彼らはだいたい6時間睡眠だそうだ。
  私はそれを聞いて又びっくりしてしまった。どうしようもない事情で6時間程度の睡眠しかとれないことがあるが、その時、私の頭は全くと言って良いほど、働かないからだ。
  平均6時間で済むところを8時間もかけるのはどうももったいない気がするが、生理上どうしようもない。

  こんなことから、睡眠について興味を持ち、今、「睡眠の科学」(講談社、ブルーバックスB-1705、櫻井武著)という本を読んでいる。この本では、覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠の違い、覚醒と睡眠が発生する仕組み、その中で著者自身が発見に参加した「オレキシン」という物質の働き、何故睡眠が必要なのかなどが、わかりやすく、且、網羅的に記載されている。あとがきで著者は「ヒトの脳こそはこの地球上に存在する最も高度な構造物と言ってもよい。これほど 高度で複雑な機能を持つものが、メンテナンスを必要としないはずがない。そのメンテナンス過程こそ睡眠なのである」と述べている。私も同意見だ。

  現在、私は、沖縄の嘉手納基地爆音訴訟の住民側の代理人として活動している。住民の皆さんは、米軍機の爆音により、日々苦しめられている。深夜早朝に飛ぶ 米軍機の爆音による睡眠妨害が、被害の重要な要素となっている。沖縄の人々は、「静かな夜を返せ」という非常にささやかな要求を実現するため既に20年以 上も闘っているが、残念ながらその要求は実現されていない。今回、「睡眠の科学」を読んで、沖縄の人々の苦しみが、更にリアルに分かったように思う。


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