ことのはぐさ

2012.06.27 弁護士 岩田研二郎| 弁護士費用保険の活用を


 自動車保険を更新する際に、いろいろな特約にチェックをつけることが多くなりました。その中に、「自動者事故解決費用特約」などという名称で、契約者や家族が自動車事故の被害者になった場合に、相手方やその保険会社への損害賠償請求のために頼んだ弁護士の費用を保険で出してもらうという特約があります。 「弁護士費用保険」とも呼ばれています。
 最近は、多くの保険会社で販売するようになり、保険料も安くなったので、契約件数は1400万件を超えているといいます。しかし、自分がそれに入っているのに気が付かず、事故にあっても弁護士に依頼せずに、保険会社の提示金額をそのまま承諾し、結果的に不利益な示談をしてしまっている方もおられます。特に、慰謝料などの金額は、保険会社が自社の基準で提示するものと、裁判例などで確立した水準では開きがあるので、弁護士に依頼して裁判例などの高い水準で交渉するほうが有利な場合もあります。
 対象は、自動者保険の契約者ご本人だけではなく、一定範囲の家族も入るので、私たち弁護士も、ご相談の際に、ご家族で弁護士費用保険に入っている方がいないかを聞くようにしています。
 最近は、自動車事故被害だけでなく、「日常生活事故解決費用特約」などの名称で、たとえば、自転車にぶつかられて怪我をした場合、工事中の道路で警備員の誘導ミスで乗っていた自転車が転倒して怪我をした場合など、日常生活で起こった事故による被害も対象になる保険が売り出されています。
 これらの保険を利用すれば、弁護士への相談料も出ますし、弁護士に依頼した場合も費用の自己負担なく頼めるのが利点です。
 何か事故にあわれたときは、自動車保険の証券を見て、そのような特約に入っているかどうかを確認してみてください。


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