2015年からパート労働者として週3日で勤務していたAさんは、コロナ禍の中で週3日から週1日に一方的にシフトを減らされ、減らされた分の補償も全くなされませんでした。
Aさんが民主法律協会のコロナ特設ホットラインに電話をかけてこられたことで弁護士につながり、労働基準監督署への申告や会社との交渉を行いましたが、労働基準監督署からの是正指導等もなされず、会社側も週3日に戻すことを拒否したため、減らされた日数分の賃金の支払いなどを求めて大阪地裁に提訴しました。
裁判では今まで週3日の勤務実績があったことや契約書に「概ね週3日」などと記載されていることなどから勤務日数を週3日とすることが労働契約の内容になっていることなどを主張しました。裁判を闘う中で会社側がシフトを週3日に戻し、さらに今後勤務日数変更の必要性が生じた場合に誠実に協議することや解決金の支払などを内容とする和解が成立しました。
コロナ禍において補償なき一方的なシフトカットがあちこちで横行し、シフト制の問題が顕在化しました。時給制で働く労働者にとってシフトを減らされることはダイレクトに収入の減少につながるもので、労働者の生活を脅かすものです。
在職しながらシフトを回復するとともに、今後勤務日数の変更が生じた場合に誠実に協議することを約束させ、解決金を支払わせるという勝利的な解決ができたことは、今後の一方的なシフトカットに歯止めをかけるものであり、大きな意義があったと思います。Aさんからは「同じ思いをしている非正規労働者の方に、勇気をもって立ち上がれば、現状を変えることができるということを知ってもらえれば良いなと思います」というメッセージをいただきました。