2014年5月、エミレーツ航空日本支社のいくつかの部門が閉鎖された。同部門で働いていた労働者の大半は会社が勧める希望退職に応じたが、3名の組合員が応じなかったところ、会社は自宅待機を命じた後、同年9月に解雇した。
組合員は、この解雇は整理解雇の要件を充たさず無効である、また、組合は、団結を脅かす不当労働行為であるとして争った。
整理解雇は大阪地方裁判所、大阪高等裁判所で、不当労働行為は大阪府労働委員会、中央労働委員会で、組合員ないし組合の主張が認められ、法的手続きのレベルでは決着を見た。
しかし、わが国では「就労請求権」が認められておらず、解雇された労働者が職場に復帰して働くためには、粘り強い労使協議が必要であるところ、当事者のみなさんと支援組合のみなさんの粘り強い奮闘により、このたび、職場復帰を内容とする労使協議がまとまり、約7年に及ぶ労使紛争は全面解決した。
事実関係の調査、資料の分析、主張をまとめた詳細な書面の作成、関係者の尋問など、弁護団の一員として一定の役割を果たすことができたことにほっとしている。
職場復帰を果たしたみなさんが、新しい職場で同僚の信頼を得るとともに、労働者の権利を守る立場で奮闘することを願うばかりである。