先日、久しぶりに早く家に帰れた。テレビでは金正恩総書記とトランプ米大統領の挑発合戦が報道されていた。安倍首相も調子に乗って、この挑発合戦に参加しているようだ。
やれやれ、と思っていたら、横にいた母がボソリと「『ぺにろいやるのおにたいじ』やな」とつぶやいた。
はて、何だっけ?どこかで聞いた覚えがある。
母に聞くと私が小さいときに何度も読んでやった絵本だという。あーでもない、こーでもないと二人で話している内に思い出した。思い出せた。
ある町に鬼が住んでいて怖がられていた。王子が鬼退治をしようと鬼の城に乗り込むと、鬼は怒って王子を小さな人形くらいの大きさに変えてしまった。怒った王様が武器を持って大勢の兵隊を鬼のお城に送り込む。すると、鬼はますます怒って、強くなり手に負えなくなってしまった。
王様が困っていると「ぺにろいやる」という名の少年が「僕が行ってくる」とオモチャを持って鬼の城に出かけていった。これには鬼も怒れない。「ぺにろいやる」がオモチャで鬼と一緒に遊んだら、鬼はいつの間にか小さな子どもの姿になり、鬼のお城も消え去って、最後は小さなテントの中で子ども達が二人で仲良く遊んでいましたとさ。
というもの。数十年前の記憶なのに、良くよみがえったものだ。確かに、今の北朝鮮と米国、日本の挑発合戦は、王様と鬼との場面とそっくりだ。挑発は、相手を更に強硬にしてしまう。そこには際限がない。
「変なことは覚えているのよね」、と母はポリポリと頭をかいていたけど、私は、無性にこの本を読んでみたくなった。調べてみると、まだ取り寄せることができるみたい。私は、久しぶりに子ども達と共に、この本を読んでみたいと思っている。
さて、日本は、「ぺにろいやる」になれるだろうか。
そういえば、総選挙が始まるらしい。