人身事故で任意保険会社の提示する損売賠償の内訳の多くを占めるのが治療費、休業損害、慰謝料、後遺症に対する補償です。事故に対する双方の落ち度の割合も過失相殺として問題となります。その場合、治療費などは客観的に算定されますが、入通院や後遺障害に対する慰謝料についての保険会社の当初の提示は、裁判所が決めている基準よりも大幅に低いものである場合がほとんどです。弁護士がついて初めて裁判所の基準に応じるというダブルスタンダードをとっています。
最近、経験した事案では、ご本人に示された賠償額は極めて低くほとんど強制保険である自賠責保険の基準と変わらないものでした。この事案では、当初、ご本人に対する説明では過失相殺をしていない、つまり被害者には過失はないということでした。しかし弁護士受任後、詳細な説明を求めると1割ほどの過失相殺をしていると説明が変わりました。さらに、適正な基準である裁判所基準に基づいて損害賠償の請求をしますと、賠償額の大幅な増額はなされたものの3割ほどの過失相殺を主張するのです。被害者ご本人は、当初の保険会社の説明との相違にだまされていたと怒りを覚えています。特に人身事故の場合、この例ほどではなくても、保険会社の損害の査定は不当に低額であることがほとんどですので、弁護士にご相談いただくことをお勧めします。