ハンセン病患者の家族に対する補償金の請求期限を5年延長して2029年11月21日までとするハンセン病家族補償法改正法が6月12日の衆議院本会議で全会一致にて可決され成立しました。
家族補償法は、ハンセン病患者の家族に対しても隔離政策により被害を与えたとして国に賠償を命じた2019年6月28日の熊本地裁判決を受けて、同年秋に制定されました。しかし、現在までに想定の3割程度の家族しか請求しておらず、隔離政策によって失われた家族関係を回復することの困難さを示すものとして、家族からから、請求期限を延長し、より多くの家族が補償金を受け取ることができるように、周知や被害回復の取り組みを進めるよう求めていました。今秋に請求期限を迎えるに先立ち、この通常国会で、議員立法により改正されました。
衆参の厚生労働委員会では、補償金の支給についてより効果的な広報を行い、広報の実施に際しては、偏見差別をおそれて同法に基づく補償金の請求を躊躇する当事者が多いことも踏まえ、よりきめ細やかな対応を行うことや、国の隔離政策により、元患者のみならず元患者家族等も、偏見と差別の中で、長年多大の苦痛と苦難を強いられてきたことを改めて深くおわびするとともに、偏見差別解消策、偏見差別予防策及び差別被害救済策の一層の充実に向けた努力を引き続き行う決意を新たにする旨の附帯決議が採択されました。
附帯決議にも指摘されているとおり、隔離政策によって失われた家族関係を回復し、その証しとして補償金を受け取ることができるようにするためには、きめ細かい対応をすることが求められます。家族訴訟弁護団では、補償金請求に当たり、各地の窓口にて、ご相談を承っております。秘密は厳守しますので、ぜひお問い合わせください。